「タスケ…タスケテ…」

血を流し
藁にも縋るように桜楽に擦り寄るリヴリー
その背後には節を鳴らし、高い羽音を立てるスズメバチ

「満腹度は78…ストレスは59…」
「助けてオニイサン…モンスター…やっつけて…」

バイオレコードを見て、桜楽の顔は歪む
そこを見逃した血ダレのリヴリーは、足に触れる

「オニイサン、レベル高いから…大丈夫…」
「触らないで下さい」

縋るリヴリーをモンスターに向て蹴り飛ばした

「うぁああぁッあああぁあぁーっ?!」
「俺は退治屋ではありません。そして『満腹度』が50以上のリヴリーに興味関心は存在しません。」
「………」

リヴリーは応えなかった。
腹を満たすスズメバチだけが意味ありげに顔を向けた。

それを見届けた桜楽は放浪を再開した。





* 酷い奴を地で行くのが桜楽
身内なら優しいはず
虐めっ子